施しを断って石になった海神村の芋
どんな伝承か
原木の先の方に海神という所がある。そこへ旅の坊さんが来て「おいもを施してくれ」と乞うたところ、その家の婆さんは「いくらそこで待っても石いもだから柔らかくならない」と断った。すると坊さんは家の軒下で何やら拝んでいたという。そして婆さんが言ったとおり、二時間蒸かしても芋は柔らかくならなかった。腹を立てた婆さんが井戸端の流しの際に捨てたところ、その芋の芽が昭和の初め頃まで出ていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。