練兵場の話 (1)
どんな伝承か
国分小学校まではおよそ四キロあり、この辺の子供は学校が遠いので途中で遊んでしまった。雪の日は長靴が無く、下駄の歯に雪が付いてころころして歩けないまま練兵場を突っ切って通ったという。練兵場の向こうには射撃場があり、千葉の囚人が築いたという非常に高い大土手を的にして撃つので、弾は他へ出ず土手に食い込んだ。兵隊が撃っていない時、子供らはそこへ行って弾を拾い、屑屋に売って小遣いにした。射撃場の中は煉瓦で組まれ、二百・四百・六百・八百と標的が出る仕組みだった。大土手の上に登ると船橋の海が見えるほど高かったが、今は住宅になっているという。
原典より
まあ、俺、学校に行ってる時に、この前の道路なんか、みんなこんなでっかい大穴でもって、ボゴンボゴンで、そごに国府台に野砲連隊があって、連隊の馬が八頭立で大砲ひっぱるからね。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第1集』を全206話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。