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大蛇の首と信じて妻を斬った犬神騒動

所在地徳島県美馬郡つるぎ町
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典徳島の研究 第6巻 (方言・民俗篇)

どんな伝承か

一九五二年五月十日の未明、美馬郡の山あいの村で、四十二歳の農夫Dが近所の農夫E方に押し入り、寝ていたEの妻に柄鎌で切りつけ、止めに入ったEにも重傷を負わせた。Dの家は八人の子を抱えて暮らしが苦しく、病人も続いたため、妻Gは村の老女の祈祷師に、近所の者から犬神を差し向けられていると告げられて心を乱していた。その夜、犬神が来たとおびえるGに、この首は大蛇の首だから切ってくれとせがまれたDは、夢中で妻の首に鎌を振るった。我に返って妻の死に気づくと、隣家の妻が犬神を使って自分をこの破目に追いこんだと思い込み、仇討ちに走ったと報じられた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

徳島の研究 第6巻 (方言・民俗篇)(徳島の研究)

『徳島の研究 第6巻 (方言・民俗篇)』は、徳島をめぐる研究叢書『徳島の研究』の方言・民俗篇の巻で、阿波の犬神を論じた一篇を収める。狸やトウビョウと並ぶ阿波の憑きものとしての犬神について、起源の伝説、正体とされる小犬や鼠、犬神筋の分布と女系の継承、憑依の動機と症状、祈祷による犬神落しを、筆者の聞き書きと室町期の下知状、郡誌や『阿波民俗』などから述べる。七節に分け、昭和期の犬神をめぐる事件と迷信打破の道で結び、末尾に参考文献の註を掲げる。

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