血をはくまでなくホトトギス
どんな伝承か
市原市鶴舞の音信山は、古くからホトトギスの名所として知られる。むかしこの山にいたホトトギスの親子の話である。親は子のために遠い野山まで出かけてはうまいものを集めて帰り、それを食べさせて早く一人前にするのを何よりの楽しみにしていた。ところが子は疑い深く、親はよそでうまいものを食い、その残りを自分に食わせているのだと不平ばかりいって、村中を飛び歩く不孝者であった。子のひがみに耐えかねた親は、ある日みずから腹をかき切って死ぬ。その腹からは、子がふだんまずいといって食べなかった蛙やとかげが出てきた。子ははじめて親の恩を知って泣き詫びたが間に合わず、ホトトギスはいまも悲しみに血を吐くまで鳴くのだという。
原典より
市原市鶴舞の音信山は、古くからホトトギスの名所として知られているが、昔、ここにいたというあるホトトギス親子の話である。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。