五徳の足をもらった犬と弘法大師
どんな伝承か
富津市に伝わる由来譚。昔、犬の足は三本しかなく、歩き回るのに不自由していた。これを見た弘法大師がかわいそうに思い、いつも囲炉裏から動かない五徳の足を一本もらって与えた。おかげで犬は四本足となって機敏に動けるようになり、五徳は三本足になって今も囲炉裏でじっとしている。犬が小便のとき後足を一本上げるのは、大師からもらった足を大事にし、その恩を忘れないためだと伝わる。
原典より
昔、犬の足は三本しかなく、歩き回るのに不自由をしていた。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。