みのかさを観音に着せた娘の入内
どんな伝承か
この姫は桓武天皇の皇女だという。昔、兵部卿という公家がわけあって山田へ流されており、その子の孫三郎はたいそう見目のよい男だった。都へ上った孫三郎を清瀬姫が見初め、二人はこの村で暮らすようになり、姫もここで世を去ったと伝えられる。後の世、上総の太守として下ってきた五条の宮に寵愛された少将の君は、笠森の観音に祈って娘を授かるが、宮が都へ帰ったまま便りも絶え、若くして亡くなった。残された娘は入内の候補として市原へ向かう道すがら、雨に濡れる十一面観音へ自分のみのかさを着せかけた。娘は選ばれて桐壺の女御となり、その願いで笠森寺が建てられたという。
原典より
この姫は桓武天皇の皇女であるという。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。