勘解由どんの猫
どんな伝承か
富津市小久保での話。昔、勘解由どんという家の旦那が成田詣りに行き、帰りに八幡で宿をとったところ、隣の部屋でにぎやかに酒盛りをしている。聞いていると「小久保のかげえどん、笛を吹け」といっている。不思議なことだ、小久保の勘解由どんとは自分のことだがと思っていると、今日は晩飯が遅く熱いおじやで舌をこがしたからうまく吹けない、などといいながらも、やがて上手な笛の音が聞え、尋常でない騒ぎの宴が続いた。翌朝急ぎ帰って話すと、家の白猫に昨夕できたてのおじやをやったという。そう聞くと白猫はどこともなく姿を消し、二度と帰らなかった。
原典より
昔、勘解由どんという家の旦那が成田詣りに行き、帰り八幡に宿をとったところ、隣の部屋でにぎやかに酒盛りをしている。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。