女房が教えた枡組と棟上式
どんな伝承か
我孫子市根戸新田に伝わる話。腕がよいと評判の棟梁が、大きな仕事で柱を一本短く切りすぎ、途方に暮れていた。家に帰ると女房が、その柱は軒に使い、上に枡形の木を置いて肘木で支える組物にしてはどうかと教えた。棟梁は喜んでそのとおりに細工し、無事に仕事を納めた。ところがのちに、腕自慢の自分が女房に枡組を教わったと知れては恥だと考え、闇にまぎれて女房の首を斬り落とした。首は北へ飛んでいったという。棟梁は後悔し、以来この地では棟上げの折に、女の化粧道具や櫛を供え、弓を北へ向けて立てるようになったと伝える。
原典より
これは我孫子市根戸新田に伝わる話である。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。