日本三井に数えられた月影の井
どんな伝承か
日本の三井の一つと言われた泉が、印旛郡印西町浦部(現在の印西市)にある。県道から入った町道沿いにあり、清水が湧き出ていつも涸れることがなく、周りは石で固められていて、その深さはどれほどか分からないという。『印旛郡誌』によれば、大菅豊後守の水行場であったと伝えられ、また月影の井と呼ばれて、鎌倉の星の井、奥州二本松の日の井と並び、日本三井の一つに数えられたという。毎年二月二十三日、妙見神社の祭りの翌日には、氏子が総出で井戸さらいをするのが習わしだった。丘のすそのような所にあり、その歴史の古さは今では測れないと著者は記す。
原典より
日本の三井のひとつといわれた泉が、印旛郡印西町浦部にある。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。