子を呑んだ太宗寺のつけひも閻魔
どんな伝承か
太宗寺の境内で子守りをしていた乳母が、泣きやまない子をあやしかねて、そんなに泣くと閻魔様に食べさせますよと言い、閻魔の口元へ差し出した。すると閻魔は子どもをひと呑みにしてしまい、口には子どものつけ紐だけが垂れ下がっていた。主家に帰れなくなった乳母は境内の井戸に身を投げたという。以来この像はつけひも閻魔と呼ばれ、嘘をつく子やぐずる子を連れてくると必ずよい子になるといわれた。閻魔の目玉が底光りするのは純金だからで、正月と盆の開帳以外は偽の首をすげているという評判もあった。
原典より
場所 新宿二丁目 太宗寺 閻魔堂時代 江戸時代 文化一一年(一八一四)以後境内で子守りをしていた乳母が、子どもが泣きやまないので、「そんなに泣くと閻魔様に食べさせてしまいますよ」と、閻魔の口へ子どもを持っていった。—— 新宿と伝説(新宿区教育委員会・1969年(昭和44年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新宿と伝説(新宿区教育委員会・1969年(昭和44年))
『新宿と伝説』は、新宿区教育委員会が昭和四十四年に編んだ区内の伝説集である。カッパが出る坂、四谷怪談のお岩、矢来町の化け石、女幽霊が掘った清水など、牛込・四谷・戸塚大久保・新宿・淀橋柏木落合の各地に伝わる六十二の伝説を、江戸の地誌や随筆などから採って収める。第一章で伝説の分布と型を概説し、第二章では地域別に、各話へ場所・時代・出典・解説・参考書を添える。