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鷲に子を奪われたおくらの化鳥

所在地千葉県長生郡長柄町味庄
年代伝承
登場おくら、おぐら、子を鷲にさらわれ化鳥になった女
出典日本伝説叢書 上総の巻

どんな伝承か

百舌鳥より少し大きく、一方の羽は白く一方の眼が黒い、くらつこ鳥という鳥は、くらっこ、くらっこ、と悲しそうに鳴く。昔々、おくらという女が路傍に我が子を寝かしつけて麦取り草取りに一所懸命になっていた。そこへ一羽の鷲が飛んで来て、あれよと思う間に、路を這っていた我が子をさらって飛び去ろうとする。おくらは慌ただしく田から飛び上がり、解けかかった腰巻を脱ぎもあえず鷲を追いかけたが、とうとう我が子は戻らなかった。それからおくらは鳥になり、くらっこと鳴きながら我が子の行方を尋ね歩いた。羽の一方が白く一方が黒いのは、慌てて駆け出した時の姿であるという。

原典より

百舌鳥よりも少し大きい、一方の羽は白く、一方の眼の黒い、くらつこ鳥といふ鳥は、くらっこ、くらっこ、と悲しさうに鳴く。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))

『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。

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