椎の古木と万葉歌碑のある椎柴野
どんな伝承か
海上郡椎柴村大字小船木から隣地へ到る道路のかたわら、野尻と呼ばれるあたりに、大きな椎の樹がある。この樹の下に一つの古碑があり、この地を椎柴野というのである。ここからは川を隔てて常陸国鹿島郡を一望に収め、遠く海を望むこともできる。この地は郡内でも最も早く開けた土地であると伝えられている。碑には「夏苧曳く海上潟の椎……鳴きつつあさりして」という和歌が刻まれている。今あるものは後に建て直したものであるという。『海上郡誌』に見える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。