丸信俊が頼朝に従った五十騎橋
どんな伝承か
安房郡瀧田村大字千代の地に、五十騎橋と呼ばれる小橋が架かっている。治承四年九月十三日、源頼朝が丸信俊の館へ向かおうとして犬掛を過ぎ、この千代の地に到ったとき、丸五郎信俊が自ら五十騎を率いて新恩として帰伏し、この五十騎橋で頼朝の御供に加わったと言い伝えられている。この話は「房総志料続篇」にも頼朝公のこととして見えるが、後世これを誤って、里見義実が安房に起こったときの事とするもの(「里見誌」)もある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。