歌で応じた女に宗祇が引き返した地
どんな伝承か
白河の古城主小峯弾正少弼政朝が文明十三年正月十五日、鹿島の社前で一日一万句の連歌会を催した。これを聞いた宗祇ははるばる下向し、三十三間堂の前まで来たところで、綿を抱えた賤しい身なりの女に出会う。連歌会のことを尋ねると女は歌で答えたので、宗祇は驚いて引き返したという。綿は売り物かと問うたときも、女は逢隈川の鮎にかけた歌で応じたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。