堂守の悪行で往来が絶えた谷
どんな伝承か
火打谷という場所に郡の第二十番の札所があった。三百年ほど前、そこの堂守であった新蔵という者が参詣人を殺して金を奪っていたことが露見し、石ころ詰の刑に処された。もと桜峠と呼ばれていたこの地は、それ以来生首谷と呼ばれ、人の往来も絶えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。