鱗が生じた女が沈んだ野婦池
どんな伝承か
駒ヶ岳の西北の裾に野婦池と呼ばれる池がある。木曽原野村の大原に、お農という女がいた。ある家に嫁いだが、深く眠りこむと髪が逆立ち、体に鱗が生じるので、周りの者に恐れられ、嫁ぎ先からも生家からも追い出されてしまった。女は駒ヶ岳の麓の池のほとりまで来ると、柳の杖を水際に立て、そのまま水に身を投じて死んだ。のちに水の上で機を織る姿が見られ、人々は神として祀った。雨を祈れば験があるという。
原典より
木曾原野村大原のお農といふ女が、某に嫁したが、熟睡中頭髪逆立し鱗が生ずるので、恐れられて、婚家からも生家からも追出された。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。