石を投げ合った二匹の鬼の塚
どんな伝承か
三重町にある、周囲三十間あまりという大きな塚にまつわる話。むかし山奥の鬼と三重原の鬼が争い、たがいに石を投げつけ合った末、三重原側が勝った。敗れた鬼は息を引き取るとき、内の山へ戻りたいと言い残したので、その地は内山と呼ばれるようになったという。さらに肝の落ちた所を肝煎、歯の落ちた所を羽飛、血の落ちた所を市場と呼ぶようになった。鬼を葬った鬼塚の周りには、投げ合ったときの小石が今も散らばっていると伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。