脱げなくなった鬼面を埋めた鬼塚
どんな伝承か
額田郡常盤村の滝山にある滝山寺と、鳳来寺とでは、古くから鬼祭が行われてきた。ある年、鬼面のことで両者が争いになり、滝山の側が、魚を食べたうえでこの面をかぶれるかと言った。相手がそのとおりにすると、面は顔から外れなくなってしまった。その者を埋めた場所が鬼塚だという。またこの面をかぶる者は七日のあいだ斎戒沐浴するのが決まりだったのに、修験者が二人来てそのまま面をつけ、やはり脱げなくなったとも伝わる。さらに、昔この地に出て人を悩ませた鬼を捕えて埋めた塚だという説もある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。