水田の水溜まりに来るマージャービー
どんな伝承か
話者の郷里は島尻郡玉城村の中山というところで、いまは田んぼもないが、昔は立派な水田があった。話者自身はブナガヤを見たことはないが、幼いころに祖母から受けた注意をよく覚えている。昔は水田の隅に水溜まりを作り、そこから稲田に水を汲み入れていた。祖母は毎朝早くその水を田に入れるのが日課だったが、時おり水溜まりにマージャービーがいたので、そのたびに水汲みをやめて家に戻ったという。ある日も祖母は、今日はマージャービーが来ているから田んぼには行くなと孫たちに注意していたそうである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。