めどつを生んだ山の上の家の妻
どんな伝承か
二戸では河童をめどつと言う。五十年ほど前、福田の子なさせ婆さんが、一生に一度おかしな者を取り上げたことがある。山の上に住む寅という者の妻がめどつを生んだのである。産のとき呼ばれた産婆は大切な物を懐に忘れたといって帰ってしまい、代わりに福田の産婆が頼まれた。それでも生まれず、無理に生ませると、頭の上に袋があり、こわすと水が一升ほど出た。この水がある間は千人力で生まれなかったのだという。指は手足とも六本、鼻の穴は一つであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。