夜の水車踏みに降ってきた声と大傘
どんな伝承か
和歌山市に伝わる話。はんべえという人が若い頃、田植えのために水を引き入れようと、一心に水車を踏んでいたという。しょぼしょぼと小雨の降る夜中のこと、高い所から突然「水踏みか!」と声をかけられた。驚いて上を見上げると、差し渡し二間ほどもある大きな傘をさした姿が見えたため、恐ろしさのあまりその場で腰を抜かしてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。