道に寝そべる天狗をまたいだ老女
どんな伝承か
群馬県利根郡水上町藤原(現・みなかみ町藤原)の話。うちの親たちは昔みんなお伊勢参りに行ったが、ひと月ほどかかった。その留守番を頼まれたおばあさんが、こんな講釈をしたという。鼻が高くて真っ赤な顔をした、でっかいものが横たわっていて、どうしようもない。恐ろしいけれども行きようもないので、天狗様をまたがせてもらうことにし、「いくけれど、またがしてくださいな」と言って向こうの部落へ行ったのだ、と。そういう話を聞いたことがある、と語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。