天狗から戻り大木を担いだ若者
どんな伝承か
明治十五年(一説に十六年)の旧正月十四日のこと、御殿村字月(現・東栄町)出沢の木挽・三作が仲間八人と山小屋に泊まっていたときの出来事だという。天狗に連れ去られていた若者が戻ってくると、人が三人がかりでも動かせないほどの大木を、一人で軽々と担ぎ上げるほどの怪力を身につけていた。その大木で作った祠の残りは、後年まで庭先に残されていたと伝えられる。異伝では倉淵千代造という人物にまつわる話ともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。