三峰山を信じた家だけ盗まれず
どんな伝承か
秋田県仙北郡角館町の話である。明治十四年頃、角館町横町の丁内で、家並みに盗人が入られたことがあった。報告者の母の実家である平福でも、杉皮を三束ほど盗られた。そのとき同じ丁内に伊藤吉左衛門というかなりの身代の家があったが、厚く三峰山を信心していたので、何も盗られなかった。報告者は現在その家に住んでいるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。