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西郷の避病院でロシア軍人に化けた黒猫

所在地島根県隠岐郡隠岐の島町
年代現代
登場話者、記録者
出典現代民話考 10 狼・山犬、猫

どんな伝承か

昭和一五年頃の話である。西郷の避病院では、晩になると雨戸を撫でるような音がし、向こうの杉山に傘ほどもある大きな火の玉が見えた。夜が更けて一二時を過ぎるとゾロッゾロッと草鞋で歩くような音がし、風も吹かないのにトタン屋根が鳴った。朝になると病人用の重湯や魚がなくなっており、調べると二貫ほどもある大きな黒猫の仕業と分かった。避病院の近くには日本海海戦で軍艦とともに流れ着いたロシア軍人の墓があり、猫がロシア軍人に化けて大男となり、靴音を立てて部屋を開け、病人の足を引っぱるという騒ぎもあったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。

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