三代続けてピイ子と呼ばれた鼠捕りの黒猫
どんな伝承か
高知県高知市の話。昭和五十三年頃、黒猫を飼い出して二十年になる家の三代目の猫はピイ子という雌で、仔猫の頃ピイピイと鳴いたことから初代よりみなこの名で呼ばれた。初代も二代目も年に三百匹ものねずみを獲り、一日に三、四匹の仔ねずみを獲る日もあった。初代は買物についてきて交通事故で死に、二代目は病気で家を出たまま近所の人が新聞紙に包んで届けてくれ、名を呼ぶと掌の上で体をピクンと動かして息を引き取った。当市のNHKの放送にも出た猫だったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。