疎開先から戻った家に現れた仔猫
どんな伝承か
昭和二十年六月、杉並区の井荻町に住んでいた一家は東北へ疎開することになり、飼っていた仔猫を置いていくほかなかった。チャミーというその猫は仔犬のように人なつこく、家じゅうの愛嬌者だった。一年後に帰ってみると、見違えるほどたくましくなったチャミーが庭に現れ、自分の名前もちゃんと覚えていた。ふたたび家の人気者になったが、そのうちまた姿を消してしまった。人なつこい猫だったから食べられたのかもしれないと、語り手は書いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。