蛾になって帰った娘
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どんな伝承か
昭和五十六年、女流作家の二十四、五歳の娘が急病で亡くなった。娘は生前『死んだら人の姿では出たくない、蛾になって一度は必ず帰る』と言っていた。骨納めのあと、黒い蛾が勝手口から入って仏壇に止まり、初七日まで動かなかった。やがて飛び去ったあとには赤い液体が残り、それは幼子を抱いた女の姿になっていたという。娘は、生まれて間もない赤子を残していた。
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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