宿直室に来る緋の衣の大入道
どんな伝承か
長野県坂城町での話。昭和の初めごろ坂城小学校に勤めていた人が、宿直で学校に泊まったときに恐ろしい思いをした。学校から五町ほど上手の一本松のあたりから、緋の衣をまとった大入道が現れ、宿直室の近くまで来るとぱっと消えるという。出会ったら、かがんで股の間からのぞけ、そうしないと大入道はどんどん大きくなって取って食われる、股の間から見れば小さくなって、しまいには消えてしまうと言われていた。これは「みこしの入道」と呼ばれ、狸が化けたものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))
『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。