狸を使って村を探らせた光泉寺の僧
どんな伝承か
徳島県の光泉寺に、三、四十年ほど前、蘆原里見という僧が住んでいた。この僧は寺の床下で狸を飼い、その狸に村じゅうの出来事から夫婦げんかの内幕まで探らせていたという。ある男が夜這いに出かけたところ、途中で狸に肩を突かれたり道に迷わされたりしてさんざんな目にあい、あとで僧から夜這いなどやめておけと笑われた。僧の目には狸の姿が見えていたのだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))
『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。