最初の一段に乗れず階段で七階へ
どんな伝承か
昭和三五年頃、田舎から大阪へ出てきた佐々木芳雪は、梅田の会社を訪ねた際、初めて見るエスカレーターの最初のステップにうまく乗ることができなかった。仕方なく階段を使って七階まで登り、同窓のA君にようやく会ったという。それから三十年近く経った今でも、エスカレーターに乗るたびにこの出来事を思い出して苦笑するという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。