蓄音機を分解した女中と小人
どんな伝承か
大正三、四年ごろの話である。村の小学校の校長をしていた父が、蓄音機という名の不思議な箱を我が家へ持ち込んだのは、私が四、五歳のころだった。ところがある朝、座敷に山出しの女中が放心したように座っており、まわりには蓄音機がばらばらに散らばっていた。女中は蚊の鳴くような声で、箱の中に小人でもいるかと思って、と漏らしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。