赤倉温泉の父の夢に現れた傷ついた妻
どんな伝承か
昭和三十年ごろ、父が赤倉温泉へ旅行に出ていた日のこと。ひどい嵐の中、母と娘は汽車で通勤する姉を駅まで迎えに行ったが、その途中で母は後ろから来たバスにひかれ、けがをして入院した。翌日、まだ旅行中のはずの父がひょっこり帰って来て、顔じゅう腫れ上がってお岩さんのようになった母が夢に出てきたので心配で戻ったと話した。実際の母の顔もまさにそのとおりだったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。