夢枕に立った息子の軍帽
どんな伝承か
昭和五十二年ごろのことである。靖国神社の倉庫の隅に、くしゃくしゃに丸まった物が落ちていた。ごみかと思って拾い上げると軍帽らしいので、きれいに洗って遺品館のケースに納めた。翌日、遺品館にいると、一人の老婦人がゆで卵を供え、その軍帽の前で泣いている。わけを尋ねると、前の晩に息子が夢枕に立ったので好物のゆで卵を持ってきたところ、息子の名の入った軍帽がそこにあって驚いたのだ、と答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。