恐山へ消えた老人の人玉
どんな伝承か
下北郡大畑町での話。五十年ほど前、七十歳を過ぎた老人が死ぬ前の晩のことである。何人もの人が、その老人の家からピラッと人玉が出るのを見た。人玉は妹の家へ入り、十分ほど経ってから恐山の方へ消え去っていったという。下北半島の総合調査(九学会連合下北調査委員会編『下北』)に、人が死ぬ前に出た火の玉の一例として採録されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。