見性寺の油鍋をかぶった野良猫
どんな伝承か
最上町本城の見性寺をめぐる話。満沢に伊三郎というオヤジがおり、この人は寺のことというと何にでも反対してやまなかった。ある夜、寺に来ていた野良猫が油鍋をひっくり返してかぶってしまい、和尚は大いに怒って追い回した。ちょうどその夜、伊三郎は命を落とす間際に、今おれが寺へ行ったら和尚に油鍋をかぶせられて息の根を止められるところだった、逃げて逃げてようやく帰って来た、ああこわい、とつぶやき、間もなく死んだという。和尚は、人は死ぬときにいろいろな動物の形を借りて、遠くへ魂が飛び歩くものだと語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。