犬を金縛りにした弘法大師の麦種
どんな伝承か
弘法大師が唐へ留学したとき、麦の種を自分の陰部に隠して日本へ持って来たという。麦を盗むところを犬が見つけて吠えたので、大師は船に乗るとき、その犬に不動の金しばりの術をかけ、それを解かないまま日本へ帰って来た。そのため犬の供養として、旧暦十月のイヌの日には麦をまかないのだという。大師が犬に術をかけたのが旧十月十日で、その日がイヌの日にあたっていたために、イヌの日には麦・小麦をまくものではないという。むかしは、このことを固く守っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県史 資料編 27(群馬県史)
『群馬県史 資料編 27』は、群馬県の県史の資料編の一冊で、収めるのはその「第三章 伝説」である。伝説の定義と分類、『神道集』や近世の地誌から明治以降の郡村誌・伝説集に至る県内の調査の歩みを述べ、赤城と日光の神戦、赤堀道元の娘と木部姫の入水、文福茶釜、羊太夫、弘法伝説などを群馬の伝説の特色として論じる。続いて代表例を自然的・社会的・信仰的伝説の三つに分け、各地の口承と古記録を伝承地を添えて並べる。