柱の下の石を教えた女房と竜柱
どんな伝承か
むかし、ある棟梁が柱を短く切ってしまった。困っていると、おかみさんが「柱の下に石を入れればよい」と言った。それを殿様が聞いて、よい考えだとほめてくれた。ところが棟梁は、かかあを生かしておくと恥をかかされるといって、おかみさんを殺してしまった。その代わりに、柱に櫛・笄・かんざし・紅・白粉・かもじ・針など、女の使う道具をすべてつけて祝ってやることになったという。そのため今でも竜柱には女の持ち物を飾りつける。竜柱は上棟式の日に乙矢を縛りつけ、表と裏の鬼門にあたるところに建てる。これは厄除けのためだという。竜柱は棟梁が、乙矢はかしらが持ち帰るならわしになっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県史 資料編 27(群馬県史)
『群馬県史 資料編 27』は、群馬県の県史の資料編の一冊で、収めるのはその「第三章 伝説」である。伝説の定義と分類、『神道集』や近世の地誌から明治以降の郡村誌・伝説集に至る県内の調査の歩みを述べ、赤城と日光の神戦、赤堀道元の娘と木部姫の入水、文福茶釜、羊太夫、弘法伝説などを群馬の伝説の特色として論じる。続いて代表例を自然的・社会的・信仰的伝説の三つに分け、各地の口承と古記録を伝承地を添えて並べる。