風もないのに葉裏を返して揺れた木
どんな伝承か
昭和のはじめの話という。鹿児島県大島郡の枝手久島は人の住まない島で、ケンムンのいる島といわれてきた。その島に名音の人が小屋を掛けてシイタケを作っていた。ある日、いつものように山仕事に入ったところ、風もなにも吹いていないのに周りの木が動き出し、木の葉がひっくり返って白い葉裏を見せながら揺れた。名音の人は恐ろしさに耐えかねて小屋へ逃げ帰り、その日は一歩も外へ出ずに籠っていたという。土地では、あれはおそらく天狗のしわざだろうと語られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)