聖域の木を伐った青年の背の赤い手形
どんな伝承か
語り手が中学生の頃というから昭和三○年代のことか。隣村の青年が聖域から木を伐り出し、背中に大きな手形が出来たという話があった。その青年はスポーツはもちろん頭の良さでも人一倍秀でていて、近隣で指導者としての誉れが高い人だったが、強いて難をいえば大変な酒豪でもあった。だから噂が立ったときは、酒を呑んでいての話ではないかと疑う人もいた。しかし実際に見た人によれば、人の手とも思えないほど大きな手形が背中にぺったりと赤く押されており、しばらく消えなかったという。豪気なその人も、神木の祟り伝説は嘘ではないと震えていたそうだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)