東南の白梅を移して父の病が癒えた
どんな伝承か
昭和四三年、東京都小平市での話。語り手は中学一年生だった。その年に母が病気で入院して手術をし、続いて父が倒れて入院した。父は重症で下半身不随、尿も出ないありさまで、命も危ぶまれた。そんなとき、遠縁の拝み屋がお祈りをしてくれた。退院して間もない母と語り手が立ち合ったが、拝み屋は、家から東南の場所に植えた白梅がいけないというのである。早速おはらいをして別の場所に植えかえた。それが効いたかどうかはわからないが、父はだんだんと良くなり、手術をして歩けるようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。