屋敷の石垣に棲む白い頭の守り神
どんな伝承か
語り手が祖父から聞いた話である。二〇年前から家の屋敷の石垣の中に、大きく太い白い頭の蛇がいるという。祖父は、暖かくなると一年に一度ぐらい白い蛇が出てくるのを見たそうで、母も何度か見たという。語り手自身は一度も見たことがない。聞いたところでは、どこの家にもこの白い蛇はいて、その家の守り神なのだという。祖父は七〇歳ほどで亡くなったが、白い蛇のいる場所へ行ってずっと待っていたこともあった。白い蛇はそうそう出てくるものではなく、絶えず家を守っているのだそうである。白い蛇を殺せばその人やその家に祟りがあり、家から守り神がいなくなるからだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。