お祓いさんを跨いだ男とハビ
どんな伝承か
伊勢の大麻を、この辺りでは一帯に「お祓いさん」という。これを跨いだり踏んだりすると、必ずその年のうちにハビ(マムシ)に咬まれると、ずっと言われてきた。札が一〇〇枚以上たまった家は火事にならないともいう。語り手が親から聞いた話では、ある人が大晦日の晩に、わしはお祓いさんを跨いだけれども今年はハブにも咬まれずに済んだ、と言い、便所へ行った帰りに家へ上がろうとして、その敷居のところにハビがいて、その晩に咬まれたという。大晦日の頃にマムシがいるはずはないが、粗末にするなと教えるための言い伝えだったのだろうと語っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)