海で拾った観音像と火事の屋敷
どんな伝承か
何百年も前、柏尾の沖の恵比寿岩で村人が釣りをしていると、岩の間で何かが光っていた。潜って拾い上げると、二寸八分ほどの小さな観音像だった。持ち帰って仏壇に置いたところ家が火事になり、その後は何度建て直しても同じ屋敷で火が出たので、家をよそへ移すとようやく火事がやんだ。焼け跡では何十年も観音を祀っていたが、拝む人が減るうちに像も行方知れずになった。神仏をむやみによそから拾ってくるものではないと戒められている。
原典より
何百年も前の昔、柏尾の沖にある恵比寿岩で、村の者が釣りをしていたら、岩の間にピカピカと光る物があったと。—— 村上市史 民俗編 下巻(村上市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村上市史 民俗編 下巻(村上市史)
『村上市史 民俗編 下巻』は、新潟県村上市の市史の民俗編から、口承の節(伝説・世間ばなし・謎とことわざ)を抜き出したものである。地名・神社・寺や仏・地蔵・水・人・動植物・塞の神・杖の跡に分けた伝説と、狐や河童、火の玉、山の神などの世間ばなしを、土地の言葉の語りのまま採集地を添えて収める。義経が跳び越えた一跳山、三面川の小助島、岩船の大火など、村上市内の土地に結びついた話が中心である。