筆塚に怒った目洗い石の薬師
どんな伝承か
県道篠ノ井新町線の原市場の西外れから、浅野・桜井の方へ分かれて五十メートルほど行った道の下に、縦横三メートルほどの大石がある。正面に手が入るほどの穴があって、そこから湧く清水で目を洗えば眼病が治るとされ、お薬師さんも祀られている。元治元年、土地の豪族で寺子屋の師匠だった滝内泰一の筆塚がすぐ隣に建てられたが、筆塚のほうが石より背が高かった。薬師は自分より上に座るなと怒って滝内一族に祟り、一族はみな目を患った。そこで石の祠を設けて祀り、怒りを鎮めたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。