夜ごと泣き花嫁が避ける坂城の石
どんな伝承か
坂城小学校から込山へ通じる道が、上山田農協坂城支所へ向かう三叉路の南の角に、高さ一・五メートル、幅八十センチほどの石があった。この石は毎晩夜更けになるとしくしく泣いたが、声を聞いた人が翌朝調べても何も変わったところはなかったという。また花嫁の行列はこの石の前を通らない。ここを通った花嫁は嫁ぎ先で一生泣いて暮らすか、不義をはたらくようになると言い伝えられ、今も花嫁はこの道を避けるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。