身投げした小僧の霊とちぼちの池
どんな伝承か
余地の金剛山自成寺の北の山中に、日照りの年でも涸れないちぼちの池がある。ちぼちは禅宗で小僧を指すという。昔、日照りで寺の井戸も麓の小川も涸れ、小僧は険しい山道を池まで水汲みに通わされた。苦しさに耐えかねた小僧は池に身を投げた。以来、夕方になると池の端に白い坊主のような影が現れては消え、村の田畑も何者かに荒らされた。通りかかった名僧自成が池のほとりで金剛経を上げると、底からかすかに礼を言う声がして怪異はやみ、自成は請われてこの寺の住職になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第1巻 3 (東信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第1巻(三)東信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち東信地方の伝説と世間話を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などの伝えを、条ごとに採集地を添えて収める。双子池や白駒の池の主、望月の駒、甲賀三郎、ごまを作らない村々の禁忌、京の岩・宮下・菱野村の七不思議など、佐久・小県の土地の伝えが並ぶ。