長九郎家オクナイサマの火消し
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どんな伝承か
土淵村字柏崎の片岸にある長九郎という家にも、例の寝られぬ座敷がある。十年ばかり前、隣家が失火し、風下に当たっていたので長九郎の家の屋根に火粉が落ちて所々燃え上がった。近辺は人家が立て込んでおり、助人はそれぞれ身寄りに駆けつけて人手が少なく、同家も危機に迫った。ところがどこから来たとも分からぬ十四五歳の小僧が屋根に駆け上がり、火を揉み消して廻った。火事が鎮まってから礼をしようと探しても姿が見えず、座敷に入って見ると、オクナイサマが汗みどろになって倒れていたという。この座敷に寝れば様々な悪戯をされて眠らせぬとも伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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