大同の家に祀る二柱の神
どんな伝承か
部落には必ず一つの旧家があって、オクナイサマという神を祀る。その家を大同という。この神の像は桑の木を削って顔を描き、四角な布の真中に穴を明けて上から通し、衣裳とする。正月十五日には小字中の人々がこの家に集まって祭る。またオシラサマという神もあり、像は同じように造り設け、これも正月十五日に里人が集まって祭る。その式では白粉を神像の顔に塗ることがある。大同の家には必ず畳一帖の室があり、この部屋で夜寝る者はいつも不思議に遭う。枕を返されるのは常のことで、誰かに抱き起こされ、また室から突き出されることもあり、静かに眠ることを許さないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。