留守の家を手伝うオクナイサマ
どんな伝承か
下閉伊郡織笠村の、たつこノ木の彦松という家では、家人の留守中に、馬舎の前に積んでおく飼草をあるだけ入れて馬を養い、また夕方になると、庭に並べた四、五十枚の乾物をちゃんと畳んで納屋にしまい込んでおくなどしたという。その時には家人は座敷口の縁側から、オクナイサマどうも有難う御座んしたと御礼を言うのが例であった。この神は折々十一、二歳の童子の姿で家人の目に触れたという。オクナイサマはザシキワラシと所作が似ているが、常に一家の守護利益のためにのみ現れる点で異なると語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。